マスクに見る現代模様〜その選択の根拠は何だ?〜

新型コロナウイルス感染症の現状の取り扱いから、マスクの意味を考える。

2019年12月以降、原因不明の肺炎として中国湖北省 武漢で発生した新型コロナウイルス。
日本で最初に感染が確認されたのは2020年1月16日のことだった。
瞬く間に世界中に拡散し、その脅威は現在も様々な形で猛威を振るう。

新型コロナウイルス感染症はCOVID-19(コヴィット ナインティーン,コヴィットじゅうきゅう)とも呼ばれるが、「2019年に発生した新型コロナウイルス感染症」の略である。
その原因となるウイルスは「SA​​RS-CoV-2」であるので、ここでおさらいしておこう。
※日本では「ウイルス」と呼ぶが、正しい英語表記ではVirus(ヴァイァラスに近い発音)であるので、「V」が当てられる。)

さて、世界でも比較的、重症患者や死亡者が少ないと言われるここ日本。
本国でも政府を中心にテレビや新聞社のマスメディアが連日感染者数を報道し、街の様子をリポートしては、感染対策に警鐘を鳴らす。
外食産業や公共施設、交通機関、一般企業に到るまで、必死の対策をこうじてきている。
外に出れば、99%の人がマスクをしているのではないかと思えるほど、「今やマスクは常識」とも言える光景が広がっている。

昨今「自粛厨」「マスク警察」などと揶揄される様になった感染対策派であるが、「営業を自粛しろ」「マスクをしろ」という彼らの圧力、影響力は強い。
一方で、自粛ムードの強い同調圧力への反対姿勢を示す経済対策派の勢いも、もはや少数派とはいえない状況になってきた。
「自粛ばかりでは経済が破綻する」「マスクは完璧ではない」「外に出ないと健康維持においても危険だ」という経済対策派の主張も、確かに正しい。
SNSを開けば、連日感染対策派と経済対策派の激しい論争が繰り広げられている。
(感染対策派と経済対策派について、実際はもっと複雑な構造をしているが、ここでは上記の通り分かりやすく大別しておく)

ただ、僕が日々調べ、意見交換をする中で感じるのは、「ウイルスと戦っているのか、人と戦っているのか、分からなくなることがある」ということだ。
実際、どちらの立場で主張していようと、やっていることが理にかなっていなければ何の意味もないだろう。

本記事では、今一度冷静さを取り戻し、多くの人が利用するマスクを中心に、「今、何が大切か」を考えるヒントをお届けする。

目次

  • 0.僕の立場と本記事の中身について
  • 1.確かに、人々の情報感度は高まってきているが…
  • 2.新型コロナウイルス感染症の取り扱いと、マスクの意味
    • ①マスク着用の効果、位置づけ
    • ②現段階での「マスク一切不要」が危険である訳
    • ③「マスクをしてるから大丈夫」な訳でもない
  • 3.最後に

0.僕の立場と本記事の中身について

僕は医師でもないし、専門家でもない。
特定の団体や個人は一切関係なく、本記事による発信は全て僕個人の責任によるものである。

基本を整理するため、あえて「当たり前とされること」にも触れ、言及する。
本記事の執筆にあたっては根拠のないことは安易に決めつけず、既に出ているデータや事実を元に記すこととし、僕個人の疑問を提示しながら、「正直、よく分かっていない」という方にとって少しでもヒントとなる様提案するものとしてご覧いただきたい。

1.確かに、人々の情報感度は高まってきているが…

ここ数年で「テレビは一切見ない」「政府もメディアも信用できない」という人はいっきに増えた。
偏向報道や背後にいるスポンサー、関係各所を気にして中身の薄くなる報道への不信が、俗にいう「テレビ離れ」「新聞離れ」を引き起こした。
スマホの普及、インターネットの発達によって、報道の嘘や意図的な誘導が見破られる様になった

Twitter等のSNS、YouTubeに代表される動画配信サービス、各種オンラインニュースのサービス興隆を見ても、情報収集の手段は多様化した
いつでも、どこでも必要な情報の多くに触れることができる様になったことで、より多くの人に多くの情報を届けられる様になったのだ。
情報のスピード、量、様々な角度からの発信、気軽に意見交換ができる利便性…情報収集という観点だけを切り取っても、インターネットはなくてはならない存在になった。

しかし同時に、皆が同水準の情報を手に入れ、上手く扱えているとはいえない状況にもなったのだ。
・情報リテラシー(目的に応じて情報を活用する能力)が高い人と、そうでない人。
・覚えること(記憶力)や数字(統計やデータ分析)が得意な人間と、苦手な人
・物事のやり方を聞いてすぐにできる人と、時間がかかる人
上記の違いはもちろん、インターネットの扱いに慣れているか否かだけでも、同じ事柄に関する情報格差が広がるのは当然と言える。

「ネットニュースで見たから」などと反射的に情報を信じ、一切疑わない人もいる。
正しい情報である場合は特に問題ないかもしれないが、誤った情報に従った結果痛い目をみるのは誰か。
それが自分だけであれば自己責任とも言えるが、こと新型コロナウイルスの様な「社会全体の問題」に対処するにあたっては、間違った情報に従ったあなたの行動が、社会に取り返しのつかない影響を与える恐れがあることを、忘れてはならない。

少々大袈裟な表現に感じるかもしれないが、次章から少しずつ堀り下げていこう。

2.新型コロナウイルス感染症の取り扱いと、マスクの意味

2ー①マスク着用の効果、位置づけ

テレビニュースや厚生労働省の発表により、「新型コロナウイルスは風邪の一種である」ことや「外ではマスクを外すことを推奨している」ということが、現段階で分かっている。
※参考:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html

マスクに嫌気が指している人達にとって嬉しいニュースでもあるが、リンク先の内容をよく読んで欲しい。
マスクを外すのは熱中症対策との両立が目的であり、屋外であること、3密は避け、人との距離は2メートル以上を保つことなどを守るよう推奨している。
相変わらず屋内や人混みではマスクを着用して欲しいというメッセージだ。
現段階においても、「高齢者や基礎疾患を持つ者(以下、高齢者等とする)」にとっては重症化、死亡のリスクが高いことや、感染者が出た場合、各施設、関係者に甚大な被害が及ぶことを忘れてはならない。
また、各国の研究論文や発信によって割合はまちまちであるが、少なくともマスクによって「飛沫感染のリスク」が下がることは立証されている。

なぜ現時点においても、やたら大袈裟な対処をしなければならないのか。
新型コロナウイルス感染症の取り扱いや「マスク一切不要」と公に認められない事情について、次項から掘り下げよう。

2ー②現段階での「マスク一切不要」が危険である訳


以下、よくある反対意見を参考に掘り下げる。

1.「リスクの高い高齢者等が自粛すれば良い」
確かに、国内の感染者の内訳や統計などを分析してみても、「基礎疾患がなく、体力にも問題ない成人」にとっては感染しても軽い風邪の症状で済む場合が多いようだ。
感染しても命の危機に晒される心配がないのだから、着用しようとしまいと自由ではないか、と。

では、たまたまあなたの目の前にいる高齢者等は、なぜそこにいるのだろう。
もちろんレジャーや単なるお出かけということもあるだろうが、あなたが出勤や買い物等で止むを得ず外出するのと同様、「事情があるから外出している」ということは考えられないだろうか。
同じ空間(近距離や屋内)にいる高齢者等に、マスクをしていないあなたがウイルスを移し、その方が後日亡くなったなどということになったら、「あなたの責任で」何ができるというのだろう
もちろん、自分が原因であるという特定は難しく、陽性であることを知りながら意図的に施設内でばら撒いた証拠でもなければ逮捕されたりはしない。
ただし、あなたが施設内にマスクを着用せずに入る行為は、間接的な無差別殺人につながるリスクがあることも覚えておこう。

2.「これまで、インフル対策としてマスクをしてきた人なんて少ない(外でここまでやらされてない)」
インフルエンザの方が罹患すれば苦しいイメージがあり、インフルエンザの方が死亡率も高いというデータがちらほらあがっているようだ。
参考までに、2020年8月15日午前0時時点での日本国内における新型コロナウイルス感染者数と、死亡者数の関係を記す。
感染者数:52,869
死亡者数:1,082
死亡率: 約2.047%
※参考:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12999.html

1.にも関係することだが、通常の風邪やインフルエンザと、新型コロナウイルス感染症の取り扱いの違いについて考えてみよう。
結論から言えば、新型コロナウイルスを指定感染症から外す指定レベルを下げることができれば、マスクなしで過ごすことができるようになる、ということだ。
治療法が確立され、ワクチンも開発され、インフルエンザと同じかそれ以下のとり扱いになれば良いということらしい。

とはいえ、現時点ではまだ厳しい取り扱いがなされている
あなたがマスクを着用せずに飲食店に入店し、そこで感染者が確認され、クラスター認定された場合、その飲食店は営業停止に追い込まれる恐れがあるのだ。
食事中は皆マスクを外しているし、「自分が原因であるとは限らない」だろうが、せめて飲み物を取りに行くときや、お手洗いで離席する時など、「他者と近距離ですれ違う可能性」がある時は、マスクの着用をオススメする。

3.マスクを日頃から着用する人で、無条件にマスクを外せない理由の一つは「他人の目」ではなかろうか。
冒頭で「ウイルスと戦っているのか、人と戦っているのか、分からなくなることがある」と記した理由の1つはここにある。
マスクを着用せずに外を出歩いていると、物凄い形相で睨まれることがあるだろう。

ここで敵意を向けてくる人間は、純粋な感染対策派だけではない
「私も嫌々マスクしてるのに、お前だけ抜け駆けするな」と言わんばかりに敵意を剥き出しにしてくる「隠れ、マスク反対派」の存在を考慮しなければならない。
睨まれるだけならスルーすれば良いかもしれないが、こうしたことが原因での嫌がらせや暴行事件が各地で既に起きている。
マスクが「外出許可証」の様な役割を果たしているとも見て取れるが、ウイルスではなく「危険な他人除け」としてマスクを着用する人も多いのだ。
(そもそもどの様な立場であれ、事実やデータを無視した思い込みやイメージだけで他人を攻撃する様なことがあってはならないのだが…)

「根本的におかしい」という反対意見は、正直よくわかる。僕もできれば、なるべくマスクをせずに生活したい。

しかし、上述の通り、外ではマスクを堂々と外せるようになったと言える。
新型コロナウイルス感染症の取り扱いが変わらぬ間は、不要なトラブルを避ける意味でも、「しかるべき場所だけでも」マスクを着用することをオススメする。

2ー③「マスクをしてるから大丈夫」な訳でもない

では、マスクをしていれば一切問題ないかというと、そういう訳でもない。

僕は現在、平日は毎日通勤に電車を利用する。
マスクをしていない人を探す方が難しいくらい、ほとんどの人がマスクを着用している。
しかし同時に、マスクの着用方法や正しい取り扱いを理解できていないのでないかと思われる人物も散見される。

新型コロナウイルスが流行する前から現在まで、計10人以上の医師や医療従事者からマスクの正しい使い方についてアドバイスをいただいてきた。
以下ではその内容を共有する。

アドバイスの主な共通点は以下の通りだ。
①鼻と口を完全に覆う。
②マスクを一瞬でも外すときは顎にズラさず、小指で片方のゴムを外し、ぶら下げる。
③マスクの表面も裏面も触らない(面を触った場合は手をすぐに洗う、他のものに触れない)。
④午前と午後で最低1回、できれば1日に2回マスクを交換する

理由について
鼻を出すと「飛沫感染を防げない」「意味がない」
②ズラすことによって、顔全体に汚れやウイルスを広げることになる。また、③を犯すことになる
③マスク表面には、空気中はもちろん、知らず知らずのうちに他人から付着させられたウイルスや汚れが沢山存在する。
マスク表面を触った手で自分の顔を触ったり、飲食をした結果感染するリスクがある。
内側は自分で発したウイルスや汚れがビッシリだ。マスクの内側は湿度が高いために雑菌が繁殖しやすく、見た目以上に汚れているとのこと。
④ ③でも少し触れたように、マスクは常に汚染されている。衛生という観点からもなるべく交換することをオススメする。
また、臭いによって気分が悪くなるリスクもあるためだ。

※臭いのリスクについて。参考:横浜・中川駅前歯科
http://www5.famille.ne.jp/~ekimae/index-saiji25.html

上記リンク先のお話によると、呼吸をするだけで自身の口臭がつき、会話、くしゃみ、咳により唾液中の細菌がマスクに付着し、さらに臭くなるとのことだ。
口腔ケアを怠らないのはもちろん、現時点ではマスク不足も改善に向かってきているので、手持ちのマスクに余裕のある方はマスクの交換を検討しても良いのではないだろうか。

感染対策、エチケットとしてのマスク着用が、かえって別のリスクに繋がっては元も子もないだろう。
以上を参考に、マスクの取り扱いに役立てていただけると幸いだ。

3.最後に

情報が多様化したことで有益な情報が増えた一方で、あからさまな「」や「デマ」も増えた。
序盤で触れた「ネットニュースで見たから」などと安易に情報を信用することは、テレビに不信感を持ったはずの人が「テレビで見たから」と言っているのとさほど変わらないのではないだろうか。

情報源をなるべく確かめ、なぜ正しいと言えるのか、根拠を極力ハッキリさせよう
「ただ知る」のではなく、これまでに分かっていることや知識と照らし合わせ、「アップデートする」意識が大切だ。
何かを学ぶ時は、「(簡単にで良いから)誰かに説明できる」状態を目指すのが習得を早めるコツの1つである。
また、研究によって明らかになる正しさ(定説含む)が日々移り変わる様に、時には、既に分かっていることや常識さえ疑う必要がある。
肝心なのはいつも、安易に決めつけないこと。冷静さこそが最大の武器になる。

連日の様に感染者が何百人も出る昨今、「マスクだけが」感染を左右するとは僕も思わない。
ただ、毎日使うことが多いものであるからこそ、少しでもその取り組みを無駄にしない様努めたい。

本記事を最後までご覧いただき、本当にありがとう。
この記事を読んでくれたあなたにとって、少しでも新しい発見、学びがあれば幸いだ。

では、また会おう。

〜To be continued〜


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マスクに見る現代模様〜その選択の根拠は何だ?〜” に対して1件のコメントがあります。

  1. 山本直子 より:

    マスクをする人側の大切さ、正しい理解、しない人側のリスクなど、詳しく書かれてて良かったよ。みんなが興味をもつマスクの話題は良かったとおもう。

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